暁の寺

豊饒の海 第三巻 暁の寺 (あかつきのてら) (新潮文庫)

豊饒の海 第三巻 暁の寺 (あかつきのてら) (新潮文庫)

豊饒の海シリーズ3作目です。
転生は今度は女性で月光姫(ジン・ジャン)。
唯識論のあたりでまた躓き、主人公の本多が輪廻転生について調べ、思索するあたりでは「もういいじゃんか〜〜」と叫びそうになりながら読みました。
ベナレスの儀式の様子はさすがの筆力だけに、自分も「それ」を見たかのような衝撃がありました。すごい。
豊饒の海は全4部からなるシリーズですが、1作目の「春の雪」だけが映画化されて、まさかあの本多さんが(春の雪では、主人公はむしろ転生の主・清顕で、本多はその生真面目で理知的な友人という感じなので)こうなるとは思わないですよね〜。
例によって、通勤電車の中で読みましたが、今回は電車の中で読むのが憚られるようなシーン(描写)もかなりあって焦りました^^;
「春の雪」は読んだけど、という方にも是非お勧めしたいと思います。

さて、今後の読書ですが豊饒の海の4作目、三島の遺稿でもある「天人五衰」は置いといて、今話題のドラマの原作でも読もうと思ってます。
年末年始は三島にはまってましたが、そろそろ脱出。
「天人」はその後にじっくり味わいたいと思います。