伊右衛門

嗤う伊右衛門 (中公文庫)

嗤う伊右衛門 (中公文庫)

お友達のかぴさんのご主人(かなりの読書家のご様子です)のオススメと伺って、購入していたものを年末ギリギリくらいから読んでいました。
あの「お岩さん」で有名な四谷怪談をモチーフにした作品のようですが、岩も伊右衛門もとても魅力的な人物に描かれていました。
また周辺人物も人物像がくっきりしていて読みやすかったです。
また町人たちの江戸っ子言葉がテンポよくて小気味良かったです。「参りやす」に「めえりやす」とか振り仮名が振ってありましたよ(笑)。
ラストは哀しいまでに美しかったです。ラストが印象的で、かつこのラストだから好きだっていう小説って実はあんまり多くないかもしれないのでこれは貴重かも。
京極堂シリーズほど薀蓄を振り回していないので(あれはあれでいいんでしょうけど)、京極夏彦読んでみようかなぁという方にもオススメです。