下巻
- 作者: 宮本輝
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/05/10
- メディア: 文庫
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どの登場人物も魅力的過ぎるって思ってたんですが、あとがきを読んでそういう意図だったのねと納得。
2人の中心人物のうちの三十路女性の恋?の進展みたいなのが結構急で、ちょっとびっくり(これはただ単にびっくり。でも書き込まれていないので、かえって恋愛くささというか、生っぽくなくて、浄化されている気もするんですが)。
ちょっと辛口になると、偶然がとにかく多くて、「おや、またお会いしましたね」的なドラマっぽい作りとか、このエピソードにはどんな意味があったんだという話もあって(うだつのあがらない会計事務所の中年事務員とか、社長秘書が交替することとか)、何かの伏線かと思って読んでいた私としては(推理小説が好きなので、この伏線はどう繋がるのかなどと思ってしまうのです)輝さんファンから見れば邪道な読者かもしれませんが、ちょっと残念なこともありました。
でも前回読んだ「海辺の扉」よりは全然よかったです。主人公(もしくは中心人物)が好きになれるかなれないかで(はっきり言って「海辺の扉」の主人公は好きじゃなかった)、印象はかなり違うのかもしれませんが。